23Aug

横紋筋肉腫(おうもんきんにくしゅ)という病気を聞いたことあるでしょうか?
あまり耳にした事がない病気ですが小児がんの一つで、極めて症例が少ない病気です。
子供に発症する事が多いのですが、実は成人してからも発症する場合があります。
ここではあまり知られていない横紋筋肉腫の原因や症状などを詳しくご説明します。
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顔に出来るガン、横紋筋肉腫とはどんな病気?
横紋筋肉腫(おうもんきんにくしゅ)とは骨、筋肉、脂肪などの軟らかい組織に出来る腫瘍です。
主に子供に発症する事が多く、15歳位までに発症する確立が高いのが特徴です。
腫瘍は顔を含める全身に出来ることがありますが、自覚症状はほとんどありません。
そのため、腫瘍が大きくなってから初めて症状に気が付く事が多いようです。
横紋筋肉腫の症状とは?
最も横紋筋肉腫が発症しやすいのが目の周りや傍髄膜(ぼうずいまく)です。
次に多いのが膀胱や前立腺、その次に手足に発症します。
腫瘤が大きくなる事で周りの器官が圧迫され、症状が変化して行きます。
また、腫瘤が出来る場所により症状は異なります。
例えば目の周りに腫瘤が出来ると視覚障害が発生します。
そして、脳に出来ると脳の神経が圧迫される事で聴覚障害や意識障害などを引き起こします。
他にも筋肉や生殖器にも腫瘤が出来る事があり、腫瘤が大きくなると激痛を引き起こすこともあります。
横紋筋肉腫は発症する部位によって転移に大きな影響を及ぼすという特徴があります。
目の奥や首の周辺、卵巣、膀胱等に発症したものは予後良好部位とされます。
そのため、リンパ節転移さえなければ比較的完治しやすいと言われています。
一方、膀胱、手足、前立腺などに発症する場合は予後不良部位とされ、治療が難しくなるとされています。
そのため、手足に横紋筋肉腫が発生した場合には、手術によってその全て取り除き生存率向上を目指す事も選ばなければなりません。
小児横紋筋肉腫の特徴として、症状が発症した場所に出来るしこりや腫れが大きくなり続ける事もあります。
しかし、前記の通り症状は発症した場所によって異なります。
もし下記の様な症状がある場合は一度病院で診察を受ける事をお勧めします。
– 眼の腫れ
– 血尿
– 排尿や排便の異常
– 鼻血
– 喉からの出血
– 膣からの出血
– 血便
横紋筋肉腫の原因は?
横紋筋肉腫の原因は遺伝子の異常と関連しているとされています。
ほとんどの胞巣型横紋筋肉腫に分類されるものは、特定の遺伝子に配列の異常を起こしています。
遺伝性疾患と横紋筋肉腫の発生リスク
特定の遺伝性疾患がある小児の場合、横紋筋肉腫が発生するリスクが高くなる傾向があります。
お子さんが特定性疾患がある場合は病院で相談してみて下さい。
以下が横紋筋肉腫のリスク因子とされています。
– リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありません。
– また、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。
– 神経線維腫症1型(NF1)
– ベックウィズヴィーデマン症候群
– コステロ症候群
– ヌーナン症候群
出生時の体重が標準より重い場合、もしくは体格が標準より大きい場合は胎児性横紋筋肉腫のリスクが高い可能性があります。
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成人も発症する事がある。成人発症の横紋筋肉腫。
横紋筋肉腫主に小児に発症する悪性の腫瘍ですが成人でも発症する場合があります。
成人以降に発症した場合は予後があまりよいとはいえません。
基本的な症状は小児に発症するものと同じです。
もし体にいずれかの異常があるようでしたら病院で検査を受けるようにして下さい。
横紋筋肉腫の治療方法は?
横紋筋肉腫の治療は基本的に手術による腫瘍の切除です。
しかし、手術で切除するだけでは再発の可能性がある悪性腫瘍と言われています。
手術は悪性の腫瘍を全て取り除く為に行います。
しかし、横紋筋肉腫は再発の可能性が非常に高い腫瘍と言われています。
ですので可能であれば再発のリスクを避ける為にもっと腫瘍の周りの広い範囲を切除すれば良いという事になります。
しかし、そうなると体への負担が大きすぎます。
そんなことをしたら体に何らかの不調が現れたり、内臓に障害が起こっりする事があります。
また、仮に腫瘍の切除に成功したとしても日常生活に問題が出る可能性が出てしまうのです。
そのため、摘出手術後には抗がん剤治療が必要となります。
また、腫瘍を抑える為には平行して放射線治療を行うことになります。
治療の期間は一年程度かかります。
手足に肉腫が出来た場合は整形外科の担当となります。
体内に腫瘍が出来てしまった場合は腫瘍内科が担当です。
そして、手術は外科、放射線治療は放射線科が担当する事になります。
横紋筋肉腫は非常に珍しい疾患です。
そのため、がんセンターや大学病院などの専門的な知識が高く、充実した施設での治療が必要です。
治療は小児科、耳鼻科、泌尿器科、整形外科、腫瘍(化学療法)専門医、放射線治療医、や病理診断医などが連携して行います。
医学の進化もあり、現在では横紋筋肉腫は約7割の割合で治癒可能となっています。
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