8Jul

健康体のときは、本来排便後スッキリとして気持ちいいものです。
しかし、痔になると排便の度に苦痛になりますよね。
痛みが伴うと、あの一気に出したくても恐る恐ると出す感じがとてもじれったい。
でもいきんで、さらに悪化させてしまう事も…。
今回はそんな痔の痛みに関する原因や症状について、また痛みを和らげる方法について紹介していきます。
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痔の痛みが出る場合と出ない場合など特徴は様々
痔=痛みといったイメージがありますね。
しかし実際は痛みのない痔や腫れの有無、出血を伴うかどうかなどで症状の種類が異なってきます。
痔の症状には大きく分けると主に3種類ありますので、早速確認してみましょう。
イボ痔
排便のいきみや便秘によって肛門部分が圧迫されます。
圧迫されることで血液が滞りイボ状の腫れが出てくるのですが、これを「イボ痔」と言います。
そしてイボ痔にもできる場所が異なり、症状が異なるのです。
できる場所は直腸と肛門の境となるギザギザの線を「歯状線」といいますが、この歯状線の内側にできたイボ痔を「内痔核(ないじかく)」、外側にできたイボ痔を「外痔核(がいじかく)」と呼びます。
症状もそれぞれ違い、「内痔核(ないじかく)」は痛みはない(少ない)のですが、出血があります。
理由は歯状線の内側(直腸側)は痛みを感じる神経が通っていないため、自分では気づかないのです。
出血で初めて気付く場合も。
ただし、症状が進行しイボが大きくなると外側に出てくると痛みも出てきます。
逆に「外痔核(がいじかく)」は痛みがありますが、出血はない(少ない)のが特徴。
歯状線の外側(皮膚側)ですので、血はすぐに固まるからか出血はほとんどありませんが、皮膚の近くは痛みを感じる神経が通っています。
腫れが大きくなればなるほど痛みが増しますので、早期に治療をしたいところです。
切れ痔(裂肛)
名前の通り肛門出口付近の皮膚が切れることによって痛みや出血を伴います。
歯状線の外側である肛門の皮膚(肛門上皮)が切れますので、知覚神経が通っており、痛みが生じます。
特に排便のときに痛みが強く出ますので、排便を我慢しがちになる傾向があります。
出血はそう多くはなく、トイレットペーパーに少し着く程度です。
痔ろう
痔ろうの前段階として直腸と外側の皮膚に膿がたまる「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」があります。
この膿が排出され、肛門内側の直腸と外側の皮膚が管のように繋がると「痔ろう」という症状に。
肛門付近が化膿して膿となり、かなり激しい痛みが起きます。
溜まった膿を取り除くと一旦痛みは治りますが、管は繋がったままですので慢性的な症状となりやすいです。
肛門周囲膿瘍の際に38〜39度の熱が出る事があります。
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痔の痛みが起こったときに考えられる原因について
実は日本人の3人に1人は痔で悩んでいると言われています。
身の回りにこんなに多いかと思うと意外ですが、なかなか話しにくい話題ですからね。
しかし、単なる痔だと甘く見ていると肛門がんという恐ろしい症状にまで悪化しかねません。
そうならない為にも痔の原因について確認してみましょう。
便秘や下痢
便秘になることで便が硬くなりますので、イボ痔や切れ痔になりやすくなります。
また、下痢の場合でも強い勢いで出ることで痔の可能性があるのです。
「切れ痔」は無理な食事制限やダイエットによって便秘がちな女性の方がなりやすい症状といわれています。
また、女性の場合は出産による肛門付近への負担や生理前のホルモンの変化で腸の活動が緩やかになりがちな点も挙げられるでしょう。
特に切れ痔は一旦発症すると痛みで排便を我慢しがちになり、また我慢する事によって便が硬くなり切れ痔になりやすくなるという負のスパイラルに陥りがちですので、注意しましょう。
長時間の座りっぱしなし
デスクワークの方、運転手の方は止むを得ないですが、長時間の座りっぱしは肛門付近に負担をかける要因となります。
職業上座ることが多い場合は、円座のクッションを使ってなるべく負担を軽減しましょう。
排便のときに強くいきむ
痔の原因が特にこの強くいきむ事です。
便が出にくいときや残便感がある場合、無意識にいきんでしまうことがあるかと思います。
このときには3〜6倍もの負荷がかかっているといわれています。
また、トイレが1人になれる空間で落ち着つくといった方も多いでしょう。
トイレに本、漫画や雑誌を置いている方も多いですし、ついつい長時間座ったままなんて事も。
しかし、あまりトイレの時間が長くなると、それだけいきむ機会も多くなりますので、痔でお困りの方にはオススメしません。
ストレス
ストレスによって免疫力が低下し、細菌や炎症にも弱くなります。
治りも遅くなりますので、症状を悪化させる要因にも。
また、ストレスは腸内環境を悪化の原因にも繋がっていますので、便秘や下痢になりやすいです。
適度な運動やスポーツ、趣味、ゆっくり休養、十分な睡眠などを心がけましょう。
冷え
体が冷える事によって血管が収縮し、うっ血が起こりやすくなります。
また、体の冷えは免疫低下に繋がります。
体温が1度下がると免疫力は約30パーセントも下がるので、体を温める食べ物の摂取、運動やストレッチ、体を冷やす格好をしないなど普段から温める習慣を取り入れるといいでしょう。
治療法についてやどんな薬が痛みを和らげるか?
痔の症状が続くとかゆみや痛みでなかなか目の前の事に集中できませんし、一刻も早く治したいところです。
最後に実際に痛んでどうしようもないときは、どんな治療方法や応急措置があるのか紹介します。
痔にはどんな治療方法がある?
市販薬・座薬・飲み薬
一般的に有名なのはCMでもおなじみのボラギノールやブリザエース。
軟膏タイプは肛門の内側というより外側の症状に対しての応急措置となります。
そして注入型は肛門の内側に効く商品になります。
ボラギノールはAタイプ、Mタイプの2種類がありますが、ステロイドが含まれているかどうかの違いになります。
Aタイプにはステロイドが含まれており、即効性や効能はあるものの皮膚に赤みが出る事もあります。
Mタイプにはステロイドは含まれず、長期間使用しても副作用の心配はありません。
そして塗った後にスーッとするのがブリザエースの特徴です。
飲み薬も同じくボラギノールやブリザエースから内服薬が出ています。
どちらも抗炎症作用を成分を含んでいる生薬を配合し、体の内側から改善する商品を販売しています。
手術
イボ痔と切れ痔の場合には自然治癒する事も多く、基本的には保存療法で行っていきます。
しかし、痔ろうの場合は手術でしか治癒しませんので、一刻も早く手術を行います。
自分できる対処方法
薬での治療は症状がひどい場合に友好的です。
しかし、やはり一時的な処置に留めるべきですし、最終的には薬なしで生活できるようにすることを目指しましょう。
お風呂で血行をよくする(切れ痔とイボ痔の場合)
体が冷えると治りも遅くなります。
湯船に浸かって血行を良くする事で自然治癒能力を高め、同時に肛門が清潔に保たれれる事により改善していきます。
痔ろうの場合は化膿が進んでします恐れがありますので、医師へ相談するまではお風呂やシャワーで温めるのはやめましょう。
横になって安静にする
人間の構造上致し方がないところはありますが、二足歩行になってからは、どうしても負担が腰や肛門付近に集まります。
ましてや痔はうっ血していますので、腰や肛門周りに負担をかけるのはよくありません。
横になる事でまず肛門付近への体重の負担を減らします。
このときに横向きの姿勢になるのがポイントです。
便秘を解消する
毎回いきまないと便が出にくいようでしたら、食生活を見直す必要があります。
洋食や中心とした脂っこい食事はどうしても食物繊維や乳酸菌が不足しがちに。
和食中心で野菜や穀物、乳酸菌を積極的に摂取して排便の際に無理にいきまないような便の質に変えていきましょう。
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