22May

長時間歩いたときや、ハイヒールを履いたとき、先が細くなっている靴を履いたとき、足の親指がずきずき痛い…
よく見たら、爪が指に食い込んでいたなんてことありませんか?
巻き爪で悩んでいる方はとても多いのですが、しっかりした治療法はあまり知られていません。
そもそも何科の病院に行けばいいの?という疑問があると思います。
後述しますが、結論から言うと「形成外科」に行ってください。
ここでは、巻き爪の原因と治し方について解説していきます。
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足の親指の爪が食い込んで痛い…

足の親指の爪が変形して食い込んでいるのは、「巻き爪」という病気です。
医学の分野では、正式には「陥入爪(かんにゅうそう)」といいます。
爪が食い込むことによって炎症や痛みが生じたり、ひどくなるとばい菌が入り込んで膿ができたりします。
膿ができたときは、激痛で歩くことはまず無理です。
治療するのが怖いという意見もありますが、放っておくほうが怖いです。
爪が食い込んで痛かったらなるべく早く病院へ行ってください。
巻き爪の原因は深爪じゃなかった!
巻き爪の原因が深爪のしすぎだと思っている方は多いです。
また、足に合っていない靴を履いているからだと思っている方もいます。
すでに巻き爪になっている人が深爪をすれば、より痛みが増しますし、サイズの合っていいない靴を履いて生活すれば、症状が悪化してしまうのはたしかです。
しかし、これは本質的な原因ではありません。
足の親指の爪の形が変形するということは、そこに過剰な負担がかかっていると考えられます。
巻き爪の本質的な原因は、「偏平足」や「回内」によって足のアーチが崩れることです。
足のアーチが崩れることと、足の親指に過剰な負担がかかり、小指側に曲がったり、爪が変形していきます。
ちなみに外反母趾の患者さんのほぼ全員が巻き爪を併発しています。
巻き爪の治し方。何科に行けばいい?

病院に行かずに巻き爪の痛みを和らげる方法はあります。
たとえば、爪を伸ばしたり、コットンパッキングをしたり、テーピングをしたりです。
しかし、それでは根本的な解決にならず、一生その方法をやり続けなければなりません。
ですので、できるだけ病院へ行きましょう。
病院の科もたくさんあるので、適切な処置をしてもらえないかもしれません。
先述したとおり、巻き爪の本質的な原因は「足のアーチの崩れ」です。
からだのバランスを整えることが大切になってきますので、「形成外科」を受診しましょう。
爪は皮膚の一部だからという理由で安易に皮膚科に行かないでください。
深爪を注意されるだけだったり、軟膏を処方されて診察が終わってしまう可能性があります。
ワイヤーの爪矯正
現在、巻き爪の治療法は、ワイヤーなどを使った爪の矯正です。
器具を使って巻いている爪を水平にするもので、これが日本のスタンダードになっています。
爪の白い部分に穴を開けて、そこに形状記憶のワイヤーを装着します。
治療のとき出血はないですが、炎症を起こしている部分に少し痛みがあるかもしれません。
装着した直後に痛みは治まり、数日で巻き爪の痛みの改善があります。
また、運動や入浴の制限も特にありません。
ワイヤーで爪を矯正する治療の費用は、初回に15000円~20000円かかります。
ワイヤー装着後も定期的に張り替えるので、月1回程度の通院が必要になります。
その際には、1回3000円ほどかかります。
ワイヤー爪矯正では、治るまでに1年くらいかかりますので、合計すると費用は50000円ほどかかります。
オーダーのインソール
巻き爪の原因である「足のアーチの崩れ」を改善する方法として、インソールが使われます。
患者さんの歩き方の癖や体重のかけ方、からだのバランスをしっかりと考慮して、オーダーメイドのインソールを作ります。
インソールを使うことによって徐々に足のアーチが整っていき、巻き爪が改善されていきます。
すぐに改善が見込めるわけではありませんが、長期的に見て非常に効果的な治療法といえます。
この治療法が一番効果があるのですが、それぞれの患者さんに適したインソールを作れる専門家が少ないのが現状です。
日本の足医療が遅れをとっているので、インソールを使った巻き爪の治療はまだまだマイナーな治療法で、これから普及してくると思われます。
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巻き爪の手術

巻き爪が爪矯正でもインソールでも改善しない場合、手術することをおすすめします。
オーバーサイズネイルといって、生まれつき爪の横幅が広い人は、巻き爪になりやすいです。
からだの歪みや足のアーチも崩れていないのに巻き爪になるので、そういう方は手術以外に痛みが改善する方法がありません。
寝たきりの方の多くは、巻き爪になります。
これは、足が地面からある程度の圧力がかかっていないと、爪が変形してしまう性質があるからだと考えられています。
巻き爪の治療をしたからといって、もう何もしなくてもいいということではありません。
まず、巻き爪が再発する可能性がある深爪は厳禁です。
日頃の生活習慣を見直し、からだのバランスを保ったり、サイズの合った靴を履くよう気をつけていきましょう。
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