29May

食後や朝起きたときに肝臓のあたりが痛い…
前の日にお酒を飲み過ぎたのがいけなかったかなと思うときってありますよね。
でも実はそれは肝臓が痛いわけではないのです。
みぞおちの辺りが痛くて吐き気もある時は、実は胃やすい臓に原因があるのです。
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肝臓が痛いのは間違いだった!

結論から申しますと、肝臓が痛くなることはありえません。
肝臓の痛みだと思っているものが、実は肝臓近くの臓器の痛みである可能性が高いです。
そもそも、肝臓ってどこにあるのか分かりますか?
肝臓の場所が正確に分かる人は医療系の仕事をしていない限りほとんどいません。
肝臓の場所
肝臓は左右非対称の形をしています。
肝臓は肋骨に隠れており、みぞおちからみぞおちの右側にかけてあります。
ちょうどみぞおちの奥が肝臓があるところです。
肝臓の真上には横隔膜があり、横隔膜にぶら下がったような状態です。
そして肝臓のすぐ左隣には胃とすい臓があり、肝臓の真下には胆のうという臓器があります。
肝臓は痛みを感じない
肝臓は痛みを感じません。
なぜかというと、肝臓には神経がないからです。
痛みを感じるメカニズムを簡単に説明すると、人間は神経を通して脳に「痛い」という信号を送っています。
なので、痛みを感じるためには、そこに神経が通っていないといけません。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、炎症などを起こしても症状が表に出てきません。
仮に肝臓が悪化して深刻な場合、どこか別の場所で痛みなどが発生します。
たとえば、前の日にお酒を飲み過ぎたとき、肝臓に負担は掛かっているのですが、何の痛みもないです。
その代わり、頭痛や体全体のだるさといった症状が現れます。
そのほか肝臓がんになっても、肝臓自体に痛みは生じないので、初期症状がなく、肝臓がんが見つかった頃には手遅れになっていることが多いです。
なので、肝臓が痛いという認識は間違っているのです。
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肝臓まわりの痛みと吐き気がある時の原因

肝臓の近くには、胃、横隔膜、すい臓、胆のう、脾臓(ひぞう)という臓器があります。
肝臓が痛いと感じるときは、これらの臓器に痛みがある可能性が高いです。
今回は、肝臓まわりの臓器の痛みと「吐き気」を伴うとき、どんな原因が考えられるか解説していきます。
・逆流性食道炎
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍(いかいよう・じゅうにしちょうかいよう)
・急性膵炎(きゅうせいすいえん)
・胆石症
・脾腫(ひしゅ)
急性胃炎
急性胃炎とは様々な原因で起こる胃の粘膜の炎症です。
日常的に起こるので一度は聞いたことがあると思います。
症状は腹部の痛みや吐き気のほかに、下痢や下血もあります。
急性胃炎の原因は様々なのですが、仕事のストレスや暴飲暴食、不規則な生活リズム、お酒の飲み過ぎなどが主です。
また、稀にインフルエンザなどの感染症から引き起こることもあります。
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは胃の中の液体(胃酸)が胃から食道へ逆流することで起こる食道の炎症です。
逆流性食道炎の原因は食べ過ぎや脂肪やたんぱく質の多い食事をすることです。
症状はみぞおちあたりの痛みのほかに吐き気や食道の痛みがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃酸によって胃の粘膜まで消化し、胃がただれて潰瘍(かいよう)を作ってしまう病気を胃潰瘍といいます。
十二指腸潰瘍は胃酸が十二指腸の粘膜を消化し潰瘍が作られる病気です。
ともに胃酸による粘膜の消化が原因です。
十二指腸潰瘍が20代までの若い年代に多く見られるのに対して、胃潰瘍の発症者は40歳以上が多いです。
胃潰瘍の場合は食事中または食後に痛みが出ます。
十二指腸潰瘍の場合は空腹時や夜中に痛みが出ます。
また、十二指腸潰瘍の場合は、背中の痛みもあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の主な原因はともにストレスです。
最近の研究ではピロリ菌の感染も発症原因であることが分かってきました。
急性膵炎
すい臓は、食べ物の消化や分解をするための様々な酵素を作っている重要な臓器です。
すい臓が何らかの原因で機能しなくなると、炎症が起こり、すい臓が腫れたり出血することもあります。
これを急性膵炎といいます。
急性膵炎の原因はお酒の飲み過ぎ、脂肪の多い食事、食べ過ぎです。
初期症状としては、それらの飲食の数時間後に突然激しい腹痛が吐き気が起こります。
そのほか背中の痛みや発熱などの症状が出ることもあります。
中でも急性膵炎の原因として圧倒的に多いのがアルコールの過剰摂取です。
お酒を飲み過ぎて肝臓が痛いと思ったら、まず膵炎を疑いましょう。
胆石症
胆石症とは、胆のうの中に胆石という石ができる病気です。
胆石ができることによって消化液のひとつである胆汁の流れをせき止めてしまい、うまく機能しなくなるのです。
胆石の主成分はコレステロールです。
なので予想できると思いますが主な原因は暴飲暴食や過労によるものです。
そのため、胆石症は忘年会のシーズンになると発症件数が増える病気です。
胆石症になると食後に胆のうがある右脇腹やみぞおちに激しい痛みがでます。
ほかには、吐き気、発熱、黄疸などの症状も現れます。
脾腫
脾腫とは何らかの原因で脾臓が大きく腫れ上がる病気です。
脾腫はそれ単体では発症せず、何かほかの疾患の合併症として現れます。
ほかの疾患というのは多岐にわたり、たとえば白血病やほかの循環器の疾患が引き金になります。
また脾腫は感染症によっても引き起こされることが分かっています。
脾腫になると脾臓がある左上腹部の痛みに加えて、背中の痛み、吐き気、呼吸困難、便秘といった症状が見られます。
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