1Jun

汗が止まらない…。
人目を気にしてしまうほど大量に出る…。
そんな場合はもしかして「多汗症」かもしれません。
しかし、治療をして自分が多汗症なんてウソだったかのように快適な日常生活を送っていらっしゃる人も大勢います。
今回はもしかして自分は多汗症かもと悩んでいたり、治療を検討している方の為に治療方法や費用について紹介していきます。
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多汗症の人はなぜこんなにも汗が多く出るのか
明らかに他人と比べて汗の量が尋常じゃないという方。
そもそもなぜ汗が止まらなくなるのでしょうか。
治療法の前に汗の多汗症の方の原因について解説します。
多汗症の原因
汗が出る汗腺には2つありまして「エクリン腺」と「アポクリン腺」。
アポクリン腺は耳の後ろや額、脇の下等の体の一部にしかありませんが、エクリン腺は唇以外の全身にあります。
多汗症はこのエクリン腺が発達する事によって大量の汗が出るように。
よく汗かき=多汗症と思っている方もいますが、汗かきと多汗症の違いは特に激しい運動をした訳でも気温が非常に高い訳でもないのに、大量の汗をかく場合には疑ってみる必要がありそうです。
多汗症にも「全身性多汗症」と「局所性多汗症」の2つに分類され、多汗症の患者の方は全身性多汗症になる人が多いと言われています。
特に局所性多汗症の場合で多くみられるのは主に緊張や不安、ストレスが出る場面ですね。
一方、「続発性多汗症」といって大量に汗が出る病気や疾患がある場合。
症内分泌・代謝系疾患、循環器疾患、中枢神経疾患、感染症を患っていると全身性多汗症が出る事もあります。
局所性多汗症=体全体ではなく、脇下や手のひら等、体の一部から大量の汗が出る事。
続発性多汗症=多汗症になる原因のある病気や疾患がある事。
原発性多汗症=続発性多汗症に当てはまらず、病気がある訳でもないのに、大量の汗が出る事。
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手術以外での治療方法
手術が怖いからとりあえず手術以外での方法を知りたい方、またはそんなにひどい症状ではないので手術までは考えていないという方もいるでしょう。
以下、手術以外での薬やレーザー、注射での治療方法を紹介します。
ボトックス注射(ボツリヌス療法)
メスを使わない治療方法で持続力は個人差にもよりますが、約3ヶ月〜9ヶ月。
ボツリヌストキシンを注射する事によって交感神経から出る汗を出す司令を鈍くし、汗腺を衰えさせる方法です。
メリットは施術時間約15分ほどで終わりますので、治療が終わるとすぐに普段通りの日常生活を送ることができます。
デメリットは一時的に注射した部分が荒れたり、赤く腫れたり、痛んだりする場合も(非常に稀です)。
保険の適用は脇の下のみとなりますので、脇以外の部分だと病院やクリニックによって金額が変わってきます。
保険料3割負担の場合、費用はおおよそ1回で3万円です。
塩化アルミニウムの塗り薬
汗腺にフタをする事によって発汗を抑制する事ができます。
とても手軽で簡単に始められ、副作用もほとんど少ない事がメリット。
デメリットは塗り薬で一時的に止めるだけですので、通院し塗り続けなければいけないという事です。
また、敏感肌の人はかゆみや湿疹が出る場合もあります。
即効性がある訳ではないので、塗り始めて数日〜1週間程度で効果が出ます(個人差あり)。
この塗り薬自体に保険適用はありませんが、治療費は適用可。
金額は100gで約1000円程度という事からもまず塗り薬から始める方も多いです。
イオントフォレーシス
水に電気を流し、その水に手足を入れる治療方法。
仕組みは水に電気を送る事によって水素イオンが発生し、汗腺から出る汗をブロックしてくれます。
治療時間は20〜30分ほどで、週に1〜2回の治療を継続する事で効果が徐々に表れ始めてきます。
ただ効果が表れても1~2週間に1度の治療をしないと症状が再度出てしまうんですね。
保険適用は可能で、保険料3割負担の場合、1回約650~1000円です(初診料は含まず)。
体にペースメーカーや手術で金属が入っている人はできませんので、注意しましょう。
多汗症に有効な薬
- 「プロバンサイン」…唯一保険適用の薬。顔の多汗症に効果あり。即効性はあるも、喉の乾きの副作用も。
- 「ポラキス」…薬の中でも強力。喉の乾き、便秘、尿が出づらくなるデメリットも。元々頻尿の治療薬。
- 「ベシケア」…ポラキス同様、元々頻尿の治療薬。ポラキスに比べると成分が控えめ。
- 「インデラル」…自律神経失調症に効果があり、不安、緊張、恐怖からくる精神性発汗に有効。
- 「デパス」…日本で最も使用されている精神安定剤。汗そのものを抑える効果はないが、精神性発汗に有効。
- 「パキシル」…抗うつ剤で使われる薬で、精神性発汗に効果的。副作用が強いので注意。
病院で手術する場合の治療方法
手術以外でできる治療法を紹介してきましたが、症状が重い方には効き目が物足りない場合も。
また、病気や疾患で起こる続発性多汗症の場合は完治する可能性がありますが、原発性多汗症の場合は持続し続けないといけませんので、ランニングコストもかかってきますね。
手術といっても最近は副作用の少ないものや傷跡も目立たない方法も出てきているようです。
それでは、次に手術で行う治療方法を解説していきます。
超音波吸引法
脇の下に数ミリの穴を開け、細い管を入れて先端の超音波によって汗腺を焼きます。
焼いた汗腺を吸引して無事終了。
傷跡が小さいので、ノースリーブを着る機会がある女性の方はいいですね。
また、術後のケアも楽なので日常生活に不便を感じる事はないでしょう。
ただ、目視では汗腺を焼き切ったのか確認できないので、汗腺が残ってしまったり、強く焼いてしまった場合やけど跡が残る可能性も否めません。
保険適用外で金額は約200,000~300,000円。
内視鏡下胸部交感神経遮断術(ETS手術)
脇下に小さな内視鏡を入れ、背中にある交感神経節を切ります。
そして交感神経節を切る事により、汗腺への信号がいかなくなるという方法。
傷跡が小さくて済み、仕事をしていても日常生活に戻る事ができ、再発のリスクが非常に少ない点です。
デメリットとしては「代償性発汗」といって目的の箇所の多汗症が治ったものの、他の箇所に多汗症の症状が出るというもの。
保険が適用可能で約7~10万円(保険適用3割負担)です。
上記治療を受ける場合は皮膚科ではなく、胸部外科や呼吸器外科で受診をしましょう。
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