23May

朝起きたときに、肋骨のあたりに痛みや不快感があることがあります。
一時的な痛みなら放っておけばいいのですが、1日中だったり、何日も続くと日常生活に支障をきたしてしまいます。
人のからだには24本の肋骨があり、上半身の内臓を外部の衝撃から守る働きをしています。
肋骨の痛みといっても、ピリピリとしびれるような痛みだったり、ズキズキする痛みだったり、さまざまな症状があります。
これは肋骨の周りに多くの内臓があることが関係しています。
また、肋骨に守られている内臓が左右対称ではないため、肋骨の痛みは左右どちらが痛いかで考えられる原因が違います。
ここでは、左右の肋骨それぞれで考えられる原因や対処法などを紹介します。
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右の肋骨が痛いときの原因は?

上半身の右側だけにある臓器は、すい臓、胆のう、肝臓、盲腸があります。
両方の肋骨の痛みに共通する原因と右の肋骨に特有の原因を紹介します。
筋肉痛
肋骨の周りの筋肉(外腹斜筋、前鋸筋、肋間筋)を痛めている可能性があります。
久しぶりに運動したり、激しい運動をして、お腹や胸を強くひねったりしていないでしょうか。
特に肋間筋が筋肉痛になると長引く場合があります。
肋骨の疲労骨折
肋骨は人体の骨の中でも比較的脆く、骨折しやすいです。
風邪による咳が肋骨に負担をかけ、ひびが入ることがあります。
短い期間であれば、放っておけば自然と治りますが、長い期間続く場合は、骨折する場合もあります。
同じ理由で、喘息持ちの方は肋骨を骨折しやすいです。
肋骨に痛みを感じた場合、まず筋肉痛か疲労骨折を疑ってみるのが一般的です。
外傷がなく運動をするときに激しい痛みを感じるのが特徴です。
通常の骨折のように内出血したり、大きく腫れたりすることは
なく、安静にしているときは押さえると痛い程度なので気づきにくいです。
小さなひびだとレントゲンに写らないことも多く、発見が難しいです。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)
帯状疱疹とは、ウイルスが原因の皮膚病です。
初期症状として、からだの左右どちらかに神経痛のようなピリピリとした痛みがあります。
続いて、赤い発疹ができて次第に水ぶくれに変わっていきます。
また、帯状疱疹は生きているうちに1度しか発症しないという特徴があります。
肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)
肋間神経痛とは、肋骨を通っている神経(肋間神経)に痛みが症状のことを指します。
肋間神経痛は、片方のあばらに突然痛みが来るのが特徴です。
肋間神経痛になる原因は大きく分けて2つあります。
ひとつは、日常生活の中で感じるストレスや疲労、生活習慣が原因の軽い症状です。
もう一方は、内臓や骨の病気が原因となる重い症状です。
具体的には、肺炎、胸膜炎、脊髄の病気などです。
これらの病気の影響で肋骨の神経が圧迫されて痛みを感じます。
急性肝炎
内臓の病気の可能性もあります。
急性肝炎とは、ウイルスによって肝臓に炎症が起こり、肝機能障害が見られます。
肝臓は右の肋骨の下にあるので、肋骨に痛みを感じるのです。
急性肝炎は痛みのほか、不快感や発熱、吐き気などの症状があります。
肝臓は、疾患があっても働き続けるという特徴を持っており、早期発見が難しいです。
しかし、急性肝炎が進行すると、肺がんになる可能性もある危険な病気なのです。
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左の肋骨が痛いときの原因は?

左の肋骨が痛いとき、右の場合と同じく筋肉痛、疲労骨折、肋間神経痛、帯状疱疹などが原因である可能性があります。
そのほか、からだの左側だけに存在する内臓が原因の病気もあります。
脾臓(ひぞう)、下行結腸(かこうけっちょう)がそれに当てはまります。
左の肺の疾患
肺は左右にひとつずつあるので、左の肺に異常があると、左の肋骨に痛みを感じることがあります。
肺に穴が開いて空気が入り気胸(ききょう)という病気の可能性があります。
気胸には、動機や呼吸困難といった症状があります。
ほとんどの場合、片側だけに発症します。
気胸の発症の原因は現時点ではよく分かっていませんが、ストレスや睡眠不足が原因と見られています。
また、肺が細菌に感染する肺炎の可能性も考えられます。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアというと、腰の病気のイメージがあります。
しかし胸椎椎間板ヘルニアという病気があって、胸椎の椎間板(骨と骨の間のクッション)が変形して、神経を圧迫する病気です。
肋骨や胸のあたりに痛みが出ます。
症状としては、肋骨の痛みのほかに足のしびれや脱力感などがあります。
肋間神経痛に似た痛みがあります。
肋骨が痛いときの治療法。咳や筋肉痛が長引くなら病院へ。

肋骨の疲労骨折の場合は、お腹や胸全体をバンドで固定します。
安静にしていれば、1ヶ月程度で治ります。
肋骨の痛みの主な原因は日常生活のストレスや疲れです。
生活習慣を見直してしっかりと睡眠をとるなどしましょう。
伸びをしたり、深呼吸をしてリラックスすることが大切です。
それでも改善せず、痛みが長引くなら病院へ行きましょう。
肋骨が痛いときの原因はさまざまなので、大切なのは何が原因かを知ることです。
肋骨が痛いときの原因はさまざまで、帯状疱疹や内臓が原因の痛みなら内科、骨に関する痛みのときは整形外科、肋間神経痛などの神経の痛みならば麻酔科を受診しましょう。
そうはいっても、自分では判断ができず、何科に行けばいいかわからない人もいると思います。
その場合は、まず「総合診療科」や「総合診療内科」を受診しましょう。
そこでまず大まかな診察をおこない、必要に応じてそれぞれの専門科を紹介されます。
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