21May

お気に入りのハイヒールを履きたい。
でも足の親指の付け根が赤く腫れてしまって痛い…
それは外反母趾(がいはんぼし)という関節の病気です。
外反母趾は放っておくと足が変形してしまう危険な病気です。
ハイヒールを履くから外反母趾になると思われがちですが、本当は違います。
外反母趾の本当の原因や治し方を解説します。
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外反母趾で親指が痛い!

外反母趾とは、足の親指が小指側に曲がって、「くの字」に変形してしまう病気です。
親指の付け根がボコッと腫れて出っ張り、ハイヒールはもちろん、スニーカでさえ歩くだけで非常に痛いのが特徴です。
大事なデートを控え、オシャレなハイヒールを履きたい多くの女性の天敵です。
外反母趾は放っておくと危険
外反母趾が発症して最初の段階は、関節が炎症を起こしているため痛みがあります。
この時点ではまだそこまで関節は変形してません。
しかし、放っておけば確実に変形は進行し、痛みを避けるように親指が変形していきます。
気づいたころには取り返しのつかないくらい親指の関節が変形していることもあるので要注意です。
外反母趾は放っておくと、痛みが増すだけでなく全身に影響が広がっていきます。
後述しますが、症状がひどい場合は手術も考慮しなければなりません。
外反母趾の本当の原因は?

外反母趾になる原因はハイヒールを履いているからだと思っていませんか?
実はそれは間違った知識なのです。
実際に、小学生にも外反母趾は発症しますし、海外の裸足で暮らしている民族にも外反母趾の症状はあるようです。
外反母趾になる本当の原因は何なのでしょうか。
外反母趾の原因はハイヒールではなかった!
ハイヒールは外反母趾を悪化させることは確かなのですが、発症の原因そのものではないのです。
外反母趾を発症する最大の原因は、実は「遺伝」なのです。
「外反母趾という病気」が遺伝するのではなく、「外反母趾になりやすい足の形」が親から子に遺伝するのです。
そういった生まれつきの足の形に加えて、立ち仕事をしていたとか、ハイヒールをよく履いていたといった生活習慣、および年齢などが複合的に組み合わさり、外反母趾は発症するのです。
これが外反母趾の発症のメカニズムです。
外反母趾になりやすい足の形
外反母趾になりやすい足とは、体重をかけたとき、親指のMTP関節に負担が掛かりやすい形をした足です。
たとえば、足の親指の真ん中の骨(中足骨)が比較的長い人は、MTP関節に強い負担が掛かるため、外反母趾になりやすいです。
外反母趾になりやすい足の形をしている人は、ほとんどが「回内」で「偏平足」です。
回内とは、かかとの骨が内側に倒れている状態のことです。
偏平足とは、足の裏に凹凸がなく平らになっていて、土踏まずがない足のことです。
足の横アーチが崩れてくるのですが、このとき、ほかの4本の指から独立している親指と、人差し指の間が、特に広がって潰れます。
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外反母趾の治し方

外反母趾の治療は、まずは炎症と痛みをとります。
使うものは湿布や痛み止めの薬、必要な場合は少量のステロイド剤などです。
その次に、インソールを使って足のアライメントを整えます。
アライメントとは、骨・関節の並びや骨の形のことを指します。
外反母趾で悩むたいていの患者さんは適切なインソールを使うことで、解決に向かいます。
サポーターは役に立たない?
世の中には親指と人差し指との間を広げて固定するようなサポーターがたくさん売られています。
しかし、実はサポーターにはほとんど改善効果はありません。
外反母趾の根本的な原因は「足のアーチの崩れ」であり、サポーターを付けても何も変わらないどころか、悪化する可能性さえあります。
適切なインソールで足のアーチを整えていくことが、王道で確実な治し方です。
症状がひどい場合は手術も

症状がひどく、インソールでは調整しきれない場合は、手術を考えます。
ずれていた親指の関節の位置を元に戻すような手術ではなく、親指の軸を正す手術になります。
関節の位置を元に戻すだけなら、時間が経過すれば外反母趾が再発するからです。
人の骨格や関節の歪み・ねじれは千差万別です。
患者さん一人ひとりに合った最適な手術をするためにも、担当する医師としっかりと話し合うことが大切です。
また、高齢の患者さんで回内が進行して、くるぶしの関節が固まっていることがあります。
そういった場合には、あえてくるぶしの関節を固定する手術を行い、外反母趾を改善させることもあります。
子どもの外反母趾は手術は必要ない
子どもでも外反母趾を発症するのは先述しましたが、子どもの場合はからだが柔軟です。
早い段階からインソールを使って治療すれば足の状態はほぼ改善するので子どもに手術は必要ありません。
からだが柔軟なうちに、なるべく早く専門医に診てもらうことが大切です。
外反母趾の治療法は、患者さんの年齢や、からだのバランス、どう改善したいかによってさまざまです。
医師と患者さんの間で十分なコミュニケーションをとりましょう。
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